(テスト記事) ボイジャー計画について解説。木星~海王星の探査と太陽系外への旅

1977年、NASAは太陽系外部への未知の領域を探索するための歴史的なミッション、ボイジャー計画を開始しました。

このミッションは、ボイジャー1号およびその双子機であるボイジャー2号の打ち上げという新たな宇宙探索への第一歩でした。地球を離れ、未知の宇宙へ向かうこれらの宇宙探査機は、科学者や興奮する惑星愛好者たちにとって、太陽系の秘密を解き明かす冒険の始まりを告げました。彼らは木星、土星、天王星、そして海王星を観測し、いまも宇宙の果てに向けて旅を続けています。

この記事では、ボイジャー探査機の宇宙の軌跡を辿りながら、ボイジャーがもたらした発見の数々について解説します。

ボイジャー計画の概要

ボイジャー計画は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) による太陽系の外惑星および太陽系外の探査計画です。1977年9月5日にボイジャー1号、同8月20日にボイジャー2号が打ち上げられました。

ボイジャー計画の目的は、太陽系の外惑星である木星、土星、天王星、海王星を探査し、太陽系の外側にある星間空間の環境を調べることです。また、異星人に向けたメッセージを搭載したゴールデンレコードを携行していることでも知られています。

ボイジャー1号

ボイジャー1号

ボイジャー1号は1977年9月5日に打ち上げられ、木星と土星とその衛星を観測しました。

ボイジャー1号は、太陽系を脱出して星間空間に到達した最初の人工物となりました。2023年12月現在、太陽から約150天文単位 (1天文単位は約1億5000万km) の距離を飛行しており、今後も太陽系外への旅を続けています。

  • 打ち上げ 1977年9月5日
  • 木星通過 1979年3月5日
  • 土星通過 1980年11月12日
  • 太陽系脱出 2012年8月25日

ボイジャー2号

ボイジャー2号

ボイジャー2号は1977年8月20日に打ち上げられ、1号が訪れた惑星に加えて天王星と海王星とその衛星を観測しました。各惑星で新しい衛星を発見したり、木星、天王星および海王星に環があることが明らかとしています。また、トリトンにおける大気の発見のほか、イオの火山についても明らかとなりました。

  • 打ち上げ 1977年8月20日
  • 木星通過 1979年7月9日
  • 土星通過 1981年8月25日
  • 天王星通過 1986年1月24日
  • 海王星通過 1989年8月25日
  • 太陽系脱出 2018年11月5日

ゴールデンレコードの搭載

ボイジャーのゴールデンレコード

ゴールデンレコード(Golden Record)は、1977年にNASAが打ち上げた宇宙探査機ボイジャー1号およびボイジャー2号に搭載された、地球文明の情報を伝えるための記録メディアです。これは地球外知的生命体(ETI)が発見した場合に、人類の文化や科学、音楽、言語などについての情報を提供するためのものでした。

以下はゴールデンレコードの主な要素です。

音楽と言語

レコードには様々な文化の音楽が収められており、ベートーヴェンやバッハの作曲家から、地球各地の伝統音楽までが含まれています。また、地球上で話されるさまざまな言語の挨拶や音声メッセージも含まれています。

自然音と人工音

自然の音、動物の鳴き声、風の音などが録音されました。また、人工的な音として、列車や船の音、工業音、宇宙船の発射音なども収録されました。

地球の場所

星座や太陽系の地図、地球からのボイジャーへの方向を示す手がかりとして、太陽系の中心付近のパルサー位置図も含まれています。

科学的な情報

化学の基本概念やDNAの構造、人間の構造や生殖に関する情報も収録されました。

写真と図版

地球上の風景や人々の写真、人類の歴史的な出来事などがイラストや写真としてレコードに加えられました。

ゴールデンレコードは地球文明の多様性と知識を伝える試みであり、地球外の知的生命体に向けて送られた一種の時間カプセルとも言えるものです。

木星探査

可視光で撮影された木星(2000年12月)カッシーニ撮影

1979年3月5日にボイジャー1号が木星に、7月9日にボイジャー2号が木星に到達しました。

2機のボイジャー探査機は木星とその衛星について数多くの重要な発見をもたらしました。中でも最も注目すべき発見は、過去に地上からの観測やパイオニア10号、11号で観測されていなかったイオの火山活動の存在を明らかにしたことです。

以下に、それぞれの探査機が木星で行った主な活動と発見を紹介します。

ボイジャー1号(1979年3月)

ボイジャー1号は、1979年3月5日に木星に最接近しました。木星の衛星イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストなどを詳しく観測し、木星の大気圏や磁場、プラズマ圏などの観測も行いました。

ボイジャー1号の観測成果は、木星の衛星の形成や進化に関する新たな知見をもたらしました。また、木星の大気圏や磁場に関する研究も大きく進展しました。

ボイジャー1号が撮影した木星の様子

ボイジャー2号(1979年7月)

ボイジャー2号は、1979年7月9日に木星に最接近しました。ボイジャー1号と同様に、木星の衛星や大気圏、磁場などの観測を行いました。

この時の観測で大赤斑は反時計回りに回転していることが判明しました。さらに、新たな衛星アドラステアを発見しました。

ボイジャー1号と2号の木星探査の成果

  • 木星の衛星イオの火山活動の活発さ
  • 木星の衛星エウロパに海が存在する可能性
  • 木星の大気圏の異常な熱
  • 木星の磁場が太陽系最大の磁場であること
  • 木星の新たな衛星の発見

これらの成果は、木星の形成や進化、地球外生命の存在可能性など、さまざまな研究に新たな知見をもたらしました。

土星探査

土星|カッシーニによる撮影(2004年3月27日)

ボイジャー1号と2号は、1980年と1981年にそれぞれ土星に到達し、土星の衛星や大気圏、磁場などの詳細な観測を行いました。

ボイジャー1号(1980年11月12日)

ボイジャー1号は、土星のリングを詳しく観測したほか、羊飼い衛星を発見するなどの成果をあげました。また、厚い大気に覆われているタイタンを観測し、大気の90%が窒素からなることを発見しました。

タイタンは、地球以外の惑星で唯一、厚い大気と液体の海が存在する可能性のある天体です。ボイジャー1号は、タイタンの観測により、地球外生命の存在可能性に関する新たな知見をもたらしました。

土星を通過したボイジャー1号は、太陽系の外へと向かいました。

ボイジャー1号が撮影した土星。土星最接近の4日後に530万kmの距離から撮影された。
ボイジャー1号が撮影した土星。土星最接近の4日後に530万kmの距離から撮影された。

ボイジャー2号(1981年8月25日)

ボイジャー2号は、1981年8月25日に土星に最接近し、土星の衛星や大気などの観測を行いました。

土星大気の最上部と最下層部の気圧や温度の違いや、これらが季節によって変動している可能性を発見しています。

実は本来のミッションは土星探査で完了の予定でしたが、ボイジャー2号は軌道の関係上、天王星まで行くことが可能だったため、NASAは天王星と海王星への探査を追加することになりました。

ボイジャー2号が撮影した土星。土星の左の光点は衛星テティス、ディオネ、レア
ボイジャー2号が撮影した土星。土星の左の光点は衛星テティス、ディオネ、レア

ボイジャー1号が太陽系外から離脱

当初は、ボイジャー1号は木星、土星、天王星の探査後、冥王星に向かう予定でした。しかし、1978年に冥王星の衛星カロンが発見されたことで、冥王星の重力圏に捕らわれる可能性が大きくなったため、冥王星探査は中止されました。代わりに、ボイジャー1号は、土星の衛星タイタンの観測に重点を置くことになりました。また、ボイジャー1号は、冥王星探査を中止したことで、太陽系を脱出して星間空間に到達する最初の人工物となりました。

天王星探査(1986年1月24日)

1986年にボイジャー2号が撮影した天王星

ボイジャー2号の、天王星への最接近は1986年1月24日に行われました。ボイジャー2号の天王星訪問はわずか24時間弱でしたが、天王星の環や衛星・大気についての情報に加え、天王星の1日の長さや磁場の存在など、天王星についての多くの情報をもたらしています。

天王星の衛星

ボイジャー2号は天王星の未知の衛星を新たに10個発見しました。また、天王星の5大衛星の一つ、ミランダの観測も行いました。

ミランダの表面は深さ 20 km以上におよぶ巨大な渓谷などがあり、複雑な地形でした。過去に何らかの破壊的な地殻変動があったと考えられています。

天王星の環

天王星の97.77°傾いた自転軸によって生じたユニークな大気の性質を調査したり、天王星の環の調査を行いました。この調査で天王星の環は、木星や土星と性質が異なり、形成時期も天王星より若いことが判明しています。ある天体が天王星の潮汐力により破壊され、形成されたと考えられています。

横倒しになった天王星。南半球には線状の雲、北半球には明るい雲も見える。
横倒しになった天王星。南半球には線状の雲、北半球には明るい雲も見える。

天王星の磁場

ボイジャー2号の観測機器は、惑星の大気や、自転軸に対して 59 度傾き、惑星の中心から半径の約 3分の1 ずれた珍しい磁場に関するデータを提供しました。

ボイジャー2号によって観測された天王星の磁場
ボイジャー2号によって観測された天王星の磁場

天王星探査後、ボイジャー2号は天王星の重力を利用して、最後の目標である海王星へと向かいました。

海王星探査(1989年8月25日)

ボイジャー2号が撮影した海王星の画像

ボイジャー2号は、1989年8月25日に海王星に最接近し、海王星の衛星や大気圏、磁場などの詳細な観測を行いました。

海王星の熱放射

ボイジャー2号は、海王星は太陽から受ける熱より多い熱を放射しているということを発見(報告)した。 海王星の大気圏の内部から放出される熱の原因は、まだ完全には解明されていませんが、いくつかの仮説があります。

トリトンの観測

ボイジャー2号は海王星の最大の衛星であるトリトンを詳細に観測しました。トリトンは氷の表面を持つ大きな衛星で、地球の氷のような地形が観測されました。トリトンの大気も発見され、これは太陽系の中で初めて観測された氷の大気の一例となりました。

探査機ボイジャー2号が撮影した全球投影画像(1989年)
探査機ボイジャー2号が撮影した全球投影画像(1989年)

新しい衛星の発見

ボイジャー2号は、海王星の衛星を新たに6つ発見しました。また、海王星の環が同心円状で海王星を一周していることも確認しています(それまではとぎれとぎれしか存在せず一周していないと考えられていた)。

大暗斑の観測

ボイジャー2号は海王星表面の大暗斑 (Great Dark Spot) も発見しました。これは、大気中の気象活動や雲の形成に関連するもので、その起源については一部謎のままです。しかし1994年のハッブル宇宙望遠鏡による観測では大暗斑は消失してます。

コントラストを強調した大暗斑
コントラストを強調した大暗斑

ボイジャー2号は、海王星探査を最後に太陽系を脱出し、星間空間へと旅立ちました。

太陽系外への離脱

ボイジャー1号とボイジャー2号は、太陽系外への旅を続け、地球から遠く離れた領域を探査しています。以下は、ボイジャー探査機が太陽系外部での航海中に達成した主な出来事とその後の状態についての要点です

太陽系の境界を越える

それぞれのボイジャー探査機は、太陽系外部の領域であるヘリオポーズと呼ばれる領域を通過し、太陽風の影響を受けなくなりました。これにより、太陽系外部の宇宙空間を直接観測することが可能になりました。

ボイジャーの金属板

ボイジャー1号と2号には、ゴールデンレコード(Golden Record)と呼ばれる金属板が搭載されています。このレコードには地球文明の情報が収められており、未知の知的生命体が発見した際に地球文化を紹介する役割を果たしています。

通信と電力

ボイジャー探査機は、非常に遠くにあり、通信にはかなりの時間がかかります。また、探査機の電力は太陽電池に頼っており、時間が経つにつれてその出力が減少しています。将来的には、通信が途絶え、電力が不足することが予想されます。

星間空間の研究

ボイジャー探査機は太陽系外部の星間空間での観測を継続しており、星間物質や宇宙線に関するデータを提供しています。これにより、太陽系外部の環境についての理解が向上しています。

ボイジャーの寿命

ボイジャー1号とボイジャー2号の稼働可能予想年数は、約50年とされています。

ボイジャー1号とボイジャー2号は、1977年に打ち上げられた探査機であり、現在も星間空間を旅しています。ボイジャー1号は、2025年頃には太陽系の境界であるヘリオポーズを通過すると予想されており、ボイジャー2号は、2032年頃にはヘリオポーズを通過すると予想されています。

ボイジャー1号とボイジャー2号の稼働可能予想年数は、以下の要因によって決まります。

電源

ボイジャー1号とボイジャー2号は、プルトニウム238の核分裂(原子力電池)によって発電しています。プルトニウム238の半減期は約87.7年であり、ボイジャー1号とボイジャー2号の電源は、約50年で枯渇すると予想されています。

電子機器

ボイジャー1号とボイジャー2号の電子機器は、宇宙線や太陽風などの影響を受けています。電子機器の劣化が進むことで、ボイジャー1号とボイジャー2号の機能が低下し、最終的には稼働不能になると考えられています。

あとがき

宇宙をさまようボイジャー

ボイジャー1号とボイジャー2号は、人類が打ち上げた探査機の中で最も長く運用されている探査機であり、人類の宇宙開発の歴史において、重要な役割を果たしてきました。ボイジャー1号とボイジャー2号の今後の活躍が期待されています。

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執筆者:株式会社ハウスプロデュース広報部

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